バローロと言えば長期熟成をして本領発揮するイタリアを代表する赤ワインという印象が強いですが、近年では意外に早くから楽しめるものもあります。この流れはどのワイン産地にも同じ流れが感じられますので流通の発達に応じて生産者も造り方変えているのかなと思います。
さて、早速今回のワインをご紹介したいと思います。
バローロとは
バローロについて簡単にご紹介します。
バローロはイタリア・ピエモンテ州のネッビオーロ100%から造られる赤ワインで、同時にピエモンテ州にバローロ村という村もあります。バローロというワインは11の村で生産されており、「ラ モッラ」「バローロ」「モンフォルテ ダルバ」「セッラルンガ ダルバ」「カスティリオーネ ファレット」が5大産地とされています。また、2010年からはフランス・ブルゴーニュの様に畑毎に区分されているMGA(Menzioni Geografiche Aggiuntive=追加地理言及)という概念があり、クリュ バローロは181ヵ所存在しています。ブルゴーニュとの違いとすれば格付けではないのでグランクリュやプルミエクリュのような上下はありません。
ただ奇しくもMGAが認定された2014年にアレッサンドロ マスナゲッティ氏が著書『Barolo and Barbaresco Classification』を出版されており、この中では6段階にクリュ バローロが格付けされています。ですので実は先人から伝えられている感覚的な格付けはあるのかもしれません。
ネッビオーロ種はかつて収穫時期が霧に包まれた事から現地で霧を意味するネッビアから名付けられているとされています。ネッビオーロから造られるワインは、明るい色合いで繊細な味わいながら酸味、タンニンが強いという特徴があり、ピノノワールと比較される機会の多いのでブルゴーニュ ラヴァーでもバローロは好きという方もいらっしゃいます。
個人的には味わいもそうですが、食事との組み合わせを考えた時にピノノワールとは違う分野も合わせられる汎用性の高さが魅力かなと思います。
Barolo Classico 2018 / Oddero
さて、今回ご紹介するバローロはラ モッラの生産者オッデーロのバローロ クラシコ 2018です!
今回のポイントは2018年というヴィンテージで、2018年はイタリアのバローロ全体像とすれば良いヴィンテージだと言われます!ただ生産者に関わらずバローロを取り扱っている感覚とすれば、2018年より2019年の方がタンニンの力強さや酸の高さがあり、熟成を視野に入れたポテンシャルの高さを感じます。
オッデーロもその傾向はあるらしく2018年は最終的にヴィレッロやロッケ ディ カスティリオーネなどクリュ バローロのブドウも使用されているそうで、普段はもっと高い価格でリリースされている畑のブドウが使われているだけあってか奥行きが感じられる味わいです。
余談ですが…
上記にあるクリュ バローロといったランクの高い畑は本当に質・味が違うのか?と思ったことはありませんでしょうか?
勿論地形によって土壌や気象に恵まれているという絶対的な条件はあるとは思いますが、生産者やメーカーの心情を考えると何かイレギュラーがあった場合にまずケアするかとなったら優先的に高く売れる畑やその人やメーカーによって特別な畑になりますよね…というような人的な要因によってワインの品質が変わってくる場合もあります。
料理との相性は?
オッデーロのバローロ クラシコ 2018はバローロとしては若いワインなのですが、ヴィンテージの影響もあり既に熟成感のある落ち着いた色合いで、複雑さが感じられます。ただ色合いの印象とは違いタンニンはまだ力強さがあり、今でも楽しめますが数年の熟成も耐えられる状態です。
食事との組み合わせですが、たまたまイベントで熟成味噌で作った牛スジとこんにゃくの煮込みと合わせており、牛の脂と熟成味噌の熟成感がワインと重なって美味しくお楽しみいただけたかなと思います。
バローロは味噌と相性が良いと言われますが、味噌でしたら今回の様な熟成味噌や赤味噌(八丁味噌など)がお勧めです。また、オイスターソースとも相性が良く、ジビエを除くシンプルに焼いた肉料理とは合いそうでイマイチな気がします。
まとめ
一般的に難しいヴィンテージやオフヴィンテージという言葉を聞くとそのヴィンテージのワインは避けたくなるかもしれませんが、実はお買い得な側面や特別な銘柄が生まれるチャンスでもあります!その他にも、長期熟成が必要とされる銘柄でも比較的早い熟成期間で楽しめるなど、ヴィンテージの良し悪しに関わらずメリットはあります。
ヴィンテージ=品質の良し悪しではなく、スタイルや飲み頃の指標と考えてみるとワインの見方が変わってくると思います。
また、海外のワインですが意外に和食や中華などアジアの料理と相性が良く、身近な食事とお楽しみいただけます。オッデーロのバローロ クラシコ 2018を是非お試しくださいませ!
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