2025年がまだ始まったばかりですが試飲したボージョレが美味しかったのでご紹介させていただきます。
Clos de MEZ(クロ ド メ)
今回のワインの生産者は日本初輸入という事で当然吉平酒店にも初入荷したClos de MEZ(クロ ド メ)。
生粋のパリジャンMarie-E(マリー=エロディ)さんが当主を務め15歳の若さでワイン造りを志し、学校で醸造を学びブルゴーニュのクロ ド ヴージョにあるシャトー ドゥ ラ トゥールで研修生として働き経験を積むなどして2006年にClos de MEZ(クロ ド メ)を設立。ワイナリーの設立後まず土壌改良に取り組み10年の歳月をかけ2016年に有機栽培に転換、2018年よりEU の有機認証「ユーロリーフ」を取得。
「本来ガメイは、ピノ ノワールのような繊細さと力強さや豊潤さを兼ね備えている。ボジョレではテロワールを表現した素晴らしいワインを造れるはず」という信念を持ってワイン造りをされているそうです。
Morgon Château Gaillard 2019(モルゴン シャトー ガイヤール)
では早速試飲してみたいと思います。
グラスに注ぐと若いガメイらしからぬ透明感のある鮮やかな色合いでただ者ではない雰囲気が感じられました。
抜栓直後はカシス、スミレ、少し土っぽいなど香りにガメイらしさがあり確かにガメイを感じているのですが、いざ飲んでみるとしなやかな果実味で野暮ったさが無く、タンニンはそこそこあるものの粗野ではなく、何より余韻に伸びる酸が想像より高くエレガント…近年は果実が強いコートドールの赤ワインが多くあるので、ガメイなのにピノノワールよりピノノワールらしい印象です。
今回はガメイなのでと合わせる食事はビーフシチューにしてみました。(ライスは家なので御愛嬌。)
ワインを飲んだ後で「もしかしてこれじゃなかったかも…」と思いつつ合わせてみると、決してワインが負けている訳ではなく最初はイケるかも?と思うのですが後半にタンニンが強く感じられました。これはこれでアリかなとも思うのですが、折角エレガントなワインなのにと思ってしまいました。
抜栓3日目
抜栓3日目のワインの香りに驚いたのですが、赤果実のニュアンスが主体に変化しゼラニウムのようなフローラルな香りさえ漂ってきました。勿論ガメイらしい黒果実は中心にあるのですが雰囲気はエレガントなピノノワールをイメージさせます。
今回は肉団子の酢豚風と長芋の梅おかか海苔和えというピノノワールを意識したメニューにしました。大本命は長芋の梅おかか海苔和えだったのですが思ったよりも親和性が生まれず、ビーフシチュー同様にやはりガメイらしいタンニンが残る感じでした。そして意外にピッタリきたのが肉団子の酢豚風でした。勝因は子供向けのケチャップ多めの味付けかもしれません。ワインの果実味が酢豚に奥深さを与え余韻はスッキリ流れるようになったので沢山食べてしまいました!
まとめ
ワインを試飲した印象としてワイン単体で飲んだ時は繊細な印象もあり食事を選ぶかも?と思ってしまいますが、芯の強さがあり抜栓後の日数によって合わせる料理の味付けを優しくしていけば様々なジャンルと楽しめると感じました。次回食事と合わせるのであれば鰹のたたきや鮪の寿司など赤身の魚と合わせてみたいものです。
ガメイは近年でこそガメラーなるガメイ愛飲家が出てきて見直されている感があるのですが、それらは今までのピノノワールっぽい味わいとは真逆のネッビオーロに近いような力強いガメイワインが多いように感じます。そういう意味では今回の様にピノノワールと同じ路線なのにガメイらしさもちゃんとあるタイプはなかなかないのではないかと思います。また、ブドウ品種云々を考えなかったとしても洗練された美味しい赤ワインでした。
まだまだ「ガメイでしょ?」と選択肢から外される方がいらっしゃいますが、そんな方にこそ1度試していただきたいガメイワインです。
コメントを投稿するにはログインしてください。