気楽さもワインにのめり込むエッセンス!

ソムリエ日記

なかなか更新スピードが遅く昨年の話になるのですが、イタリア・アブルッツォ州のワインが赤白2種類新入荷しました。気軽な価格帯なのですが中身が詰まっていながら親しみ易いワインです。

Alberto Tiberio(アルベルト ティベリオ)

アルベルト ティベリオはアブルッツォ州カサルボルディーノで1980年に父親から土地を譲り受けブドウ栽培をスタート。ブドウ栽培、ワイン醸造はビオロジック(厳格な有機栽培)で行い、環境へ配慮をしながらワイン造りを行なっています。今は2人の子供さんにワイン造りの信念と共に受け継がれ、しっかりと熟したブドウから造られるワインはピュアな果実味が感じられます。

さてさて、まずは白ワインから試飲です!

今回ご紹介するアルベルト ティベリオの白ワインは、

・Pecorino Terre di Chieti(ペコリーノ テッレ ディ キエーティ)

ペコリーノ種というイタリア語で「羊」という意味のあるブドウ品種で、この名前が付いた由来は諸説ありますが羊関連のものばかりです。また、ペコリーノと同じ名前の羊のチーズもありそのチーズと相性が良いからという説もあります。マルケ州やアブルッツォ州などアドリア海沿岸を中心に栽培されている土着品種で、銘柄のテッレ ディ キエーティはキエーティというアブルッツォ州の県のペコリーノから造られた事を表しています。

では試飲してみます。

しっかりとした色合いと共に柑橘を中心とした中に洋ナシの柔らかな香りが感じられ、香りのイメージと同じ柔らかな口当たりとフレッシュな果実味、酸のバランスが良く、余韻には花の蜜のような甘味もあり、親しみ易く余韻までしっかりと楽しめるワインです。

ワインは難しいという方もいらっしゃるかと思いますが、冷蔵庫で冷やしてお召し上がりいただければそれだけで十分お楽しめる白ワインです。

今回はアジフライと合わせてみましたが、青背魚と白ワインを合わせた時によくありがちな臭みや苦味も出ず、油で揚げることによる重たさもワインの酸がスッキリとさせてくれて料理とワインの両方を美味しく楽しめました。

続いては赤ワインです!

今回ご紹介するアルベルト ティベリオの赤ワインは、

・Montepulciano d’Abruzzo(モンテプルチアーノ ダブルッツォ)

モンテプルチアーノ ダブルッツォと言えばコスパ抜群の赤ワインとよく言われる銘柄で、銘柄通りアブルッツォ州で育てられているモンテプルチアーノ種というブドウ品種から造られています。その品質の高さと比較的低価格の銘柄が多いことから最もイタリアから世界に輸出されたワインと言われており、多くのイタリアンレストランでハウスワインとして採用されているそうです。

では赤ワインも試飲してみます。

フレッシュさとセミドライフルーツの凝縮感のあるアメリカンチェリーやプルーンなどの果実味が印象的な赤ワインで、口当たり、タンニン、酸が柔らかく、余韻の黒胡椒のようなスパイシーなニュアンスがアクセントとなり最後まで飽きることなく楽しむ事が出来ます。また、お肉との相性を容易に想像させてくれる味わいです。

味わいがどっしりと重たいわけではなく酸味がしっかりとしているものでもないですので、温度管理もザックリとで十分にお楽しみいただける気軽な赤ワインです。

モンテプルチアーノ種のワインはお肉と一緒に楽しまれることが多く、今回も通例に習って煮込みハンバーグと合わせてみました。煮込む事によって柔らかくなった質感とワインの質感が合っており、ワインの持つスパイシーな余韻が料理にアクセントを与え食が進む組み合わせでした。またこのワインのバランスですと、少し冷やしてサルメリアとも楽しめそうな気軽さのあるワインです。

まとめ

今回のようなワインですと何かと合わせてというより食卓に1本あれば食事が楽しくなり、その内このワインが日常酒のように食事の時には1杯!という感じになりそうな親しみ易さがあります。色々と探求するワインの楽しみ方もありますが、日常に寄り添える事ももワインにハマるキッカケになるかもしれませんね。

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