天才フランチェスコ ヴェルジオ

ソムリエ日記

今回はイタリアの有名生産地ピエモンテ州バルバレスコ村の若き天才のワインが新入荷しました。

今回は
・Dogliani 2020(ドリアーニ)
・Barbaresco 2018(バルバレスコ)
以上の2銘柄が入荷し、その中からバルバレスコを試飲してみました。

Francesco Versio(フランチェスコ ヴェルジオ)

まずはフランチェスコ ヴェルジオが天才と呼ばれる理由をご紹介します。

フランチェスコ ヴェルジオはピエモンテ州バルバレスコ村ネイヴェ出身で、2009年にトリノ大学の栽培醸造学を修めたのち、短期間のテッレ デル バローロ協同組合での仕事を経て、ブルーノ ジャコーザにセラーでの従業員として就職しました。2011年には若干25歳にしてブルーノ ジャコーザという有名生産者の醸造を任されるまでになります。2015年にはその年の若手No.1醸造家に送られる「ジュリオ・ガンベッリ賞」を受賞し知名度が一気に上がります。

フランチェスコはネイヴェに「サン クリストロフォロ」と「クッラ」を所有しており、ドルチェットは「ドリアーニ」という場所の畑を借りています。

フランチェスコ ヴェルジオとしてのワイン造りは2013年から始まっており、現在イタリアワイン業界で注目の若手生産者です。また、フランチェスコ ヴェルジオは現在ルイージ オッデーロという生産者の元で社員として働いてもおり、1年に1度しか行えないワイン造りの機会を得ている貪欲さからも今後の期待値は上がるばかりです。

Barbaresco 2018(バルバレスコ)を試飲してみました。

世間的にも評価が高く、良い、良いとは聞いているのですが何にせよ飲んでみないと始まらないので早速試飲してみました。

・Barbaresco 2018(バルバレスコ)

上記にもある通りフランチェスコ ヴェルジオは「サン クリストロフォロ」と「クッラ」でネッビオーロを栽培しており、基本的には1969年に植樹された「サン クリストロフォロ」が主体で造られています。「サン クリストロフォロ」は一般的に石灰が多く、フレッシュさと香り高さがあると言われている畑です。

グラスに注いでみると透明感のある鮮やかなルビーの色合いで、抜栓直後は控えめながらサクランボやバラなどバルバレスコらしい香りが感じられます。味わいも硬くて飲みづらい感じではないですが全体に控えめで、タンニンはシルキーです。また、酸がしっかりと内包され野暮ったさはなくバランスの良いエレガントなワインといった印象です。
ちなみに今回は16℃、ブルゴーニュグラスで試飲しました。

抜栓直後の一口は若くても楽しめる力強くもエレガントなワインといった印象でしたが、時間が経つにつれ香りも華やかで味わいもタンニンもどんどん強くなりスパイシーなニュアンスも出てきましたが、まだまだ高いポテンシャルが感じられ経過観察が楽しみです。

今回は焼肉と合わせてみました。

ワイン自体は抜栓初日で控えめな印象がありますが、そんな状態ですら焼肉のしっかりとした味付けにも負けない力強さを感じます。また、一般的にバローロやバルバレスコはお肉料理が合うと言いますが、やはり今回で言う焼肉のタレのようなソースの役割を担う何かがあった方がワインと寄り添うように感じました。

抜栓3日目

グラスに注ぐと本領発揮といった感じで、アメリカンチェリー、ブラックベリー、カシスなどの果実やスミレなどの華やかな香りがあり、透明感がありながらパワフルなボディ、尻上がりに力強さを増すワインを支える酸が感じられます。

2018年という暖かい生産年のアドバンテージもあり、この内容であれば十二分にお買い得感があります。

今回はミートソースを合わせた春巻きと合わせてみましたが、抜栓初日であればもしかしたら合わせられたかもしれませんが、抜栓3日目のポテンシャルを発揮した状態ですとワインの独り勝ちといった印象で、もっとしっかりとした料理の方が良いと思います。

まとめ

流石の天才若手醸造家といった透明感があり高品質の洗練されたバルバレスコでした。長期熟成をさせて楽しむのが一般的とされるバルバレスコですが、2018年というリリース間もない若いワインでも十分にお楽しみいただけます。残念な点で言えば、人気がうなぎ上りの生産者だけあって追加発注は難しそうですので、気になる方はお早めにご検討くださいませ。

また、以前同じバルバレスコでマヌエル マリナッチ(トレイゾ)をご紹介しましたが、今回のフランチェスコ ヴェルジオ(ネイヴェ)と生産地や生産者によって同じバルバレスコでもこんなに違いがあるのだなと驚きました。また、ブルゴーニュワインと同じ様に同じブドウ品種から造られたワインですが生産地や生産者によって味わいが異なる事からも掘り下げてみても面白い生産地域かなと思います。
ご興味のある方は是非こちらもご覧くださいませ。

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