少し前にSNSでご紹介したイタリアの赤ワインを試飲してみました。ワインは古くなれば古くなるほどネームバリューのある有名銘柄が安心感があり選ばれる事が多く、その典型がボルドーワインかなと思います。今回はイタリアワインでありながらスーパータスカン同様の俗に言うボルドーブレンドから造られた赤ワインです。(トスカーナのワインではないですけどね。)
Maculan(マクラン)
マクランはイタリア・ヴェネト州で1947年に設立された老舗ワイナリーで、土着品種のヴェスパイオーラ種から造られたトルコラートという甘口ワインが有名です。
1970年に代替わりしてから品質が向上したと言われ、今回は1997年という天候に恵まれたヴィンテージであり代替わりして勢いのある時のワインでもあります。
Fratta 1997(フラッタ)
1997年のフラッタはカベルネソーヴィニヨン72%、メルロー28%という国際品種のみで造られている赤ワインで、25年の熟成した所謂古酒です。
当店としてもあまり仕入れる事のない部類のワインですのでなんとなく気にしている方も多いのかなと早速試飲してみました。
キャップシールを剥がしてみると25年熟成しているとは思えないとても綺麗なコルクの状態で抜栓も難なく楽々でした。ワイナリー出荷時にリコルクされているのかなという感じでした。
しっかりと澄み切った色合いでこれだけで綺麗に熟成している状態が伺えます。熟成感のある複雑な香りが立ち上り雰囲気抜群で、イタリアというイメージらしい果実味中心の味わいと滑らかなタンニンがあり柔らかいワインといった印象です。
熟成により柔らかくなったといえば納得出来なくもないですが…と思っていると、ものの数分でどんどん香りのボリュームも大きくなり、カシスやプルーンなどの果実は勿論、腐葉土や木樽のようなニュアンスが強調されていき、それと共に果実味も充実しタンニンも力強くなっていきます。
途中からは「これ本当に25年熟成してる?」と思うくらい若々しい力強さがあり、ブドウ品種のブレンドもそうですがヴィンテージの偉大さを実感出来る赤ワインです。
今回は高めの18℃、ボルドーグラスでスタートしましたが、夏場なのでもう少し低い温度でも良かった気がしました。
1本の中でも違う味わいが楽しめる
これは同じフラッタのボトル上部と下部のワインです。勿論下部のグラスに澱は入っていません。色合いと同様に味わいや香りも下部の方が強く感じられます。
これからもワインをデカンタ(別の容器に移し替える)をして、澱を取り除いたり、ワインを均一化させる意味が分かると思います。
ちなみに空き瓶には古酒らしく澱がびっしりとあります。
抜栓2日目
今回はコルクで栓をしただけですが、冷蔵庫ではなくセラーで保管しました。抜栓2日目でもダレることなくしっかりとした味わいを保っていましたが、2日目は初日より低めの14℃からスタートしました。
温度的な要因が大きいと思いますが酸のメリハリがしっかりしており、果実味やタンニンの存在感が増しながらもバランスのまとまった状態で楽しめました。
熟成ワインに何を合わせる?
抜栓前のイメージでは25年熟成、イタリア・ヴェネトのワインという事で結構柔らかくなっているのかなと思っていたので、お盆という事もあり豪華に牛肉のすきしゃぶにしてみました。
良いお肉だったのでトマトも入れてさっぱり合わせようなんて思っていたのですが、結果的にこの料理はこのワインには優し過ぎました。というより熟成している割にワインがパワフル過ぎた感じでした。
まとめ
25年熟成したワインですがしっかりと澱も落ちており、コンディション的にはいつでもお楽しみいただける状態だと確認が出来て良かったです。また、味わいの面でもまだまだ若々しさも感じられ、熟成による複雑さと若さのあるパワフルさの両方をお楽しみいただけます。何よりコルクの状態が良かったので古酒の割に扱い易さが有難い1本でした。
価格面もボルドーワインの古酒を考えると良心的な価格と内容で、本数がないのが唯一残念な点なくらいです。気になる方は是非お早めにお買い求めくださいませ。
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