前回は熟成したイタリアワインを試飲しましたが、今回は17年熟成したブルゴーニュの赤ワインです。熟成したワインは実際のところ開けてみるまで分からないので期待と不安が入り混じる楽しさも醍醐味です。では早速飲んでみましょう!
Clos du Moulin Aux Moines(クロ デユ ムーラン オー モワンヌ)
10世紀にシトー派修道僧によって発見された神秘的な区画がそのままワイナリー名になっているクロ デユ ムーラン オー モワンヌは、962年から6世紀にわたってシトー派の修道僧によってワイン造りが行われ2008年にはアンドリュー家へと引き継がれています。また、2012年にリーデル社が発表する新ブルゴーニュグラスのプロモーショントリップがあり、リーデル社が選ぶ「6つの素晴らしいドメーヌ」が訪問先に選ばれておりクロ デユ ムーラン オー モワンヌ以外はエティエンヌ ソゼ、ルイ ジャド、アルベール ビショー、ジョセフ ドルーアン、メオ カミュゼといった錚々たる面々でした。
今回の銘柄は10世紀から続く神秘的なオークセイ デュレスの単独所有畑に植えられている樹齢70年超の古樹のブドウから造られている特別な銘柄です。
Auxey Duresses Moulin aux Moines V.V. 2005
上記にもあるようにクロ デユ ムーラン オー モワンヌがオークセイ デュレスに単独所有する特別な畑の銘柄で、2005年という良年のブドウで造られた赤ワインです。
熟成ワインといえばコルクの状態が気になるところではありますが、画像の通りしっかりとしていて扱い易く有難い状態です。
グラスに注ぐと綺麗に熟成した事が見て取れる落ち着きのある色合いで、開けたてからラズベリーから少し黒果実よりのボイセンベリーなどの果実、ドライローズや紅茶などの植物のニュアンスのある香りがしっかりと感じられ雰囲気に安心感と期待が高まります。
柔らかい質感と共に落ち着きのある味わいが広がり余韻にかけて醤油のような旨味と塩味が感じられますが、一方で香りの落ち着いた印象とは対照的にフレッシュな果実味やビターなタンニンもまだ楽しめる状態です。
今回はブルゴーニュグラスで11℃からスタートしましたが、抜栓初日としてはこのくらいが良いかなと思います。
経過観察として3日目にも試飲しましたが、抜栓初日よりも果実の存在感があり余韻も柔らかく広がった初日よりハッキリとしてきました。17年という熟成を経たとは思えないくらい芯がしっかりとして長く楽しめる赤ワインです。
食事との相性は?
今回合わせた食事は豚の角煮を鶏肉の代わりにのせた棒棒鶏的なものと、別日に肉じゃがです。
結果から言うと、味わいの方向性としては良かったと思いますが意外にもワインに力強さがあったのでもう少し濃い目の鶏の照り焼きや牛肉煮込みなどが良かったように感じます。
まとめ
最近熟成ワインを試飲する機会があったのですが、正直銘柄によってヴィンテージの優劣、生産地域、ブドウ品種のイメージを軽々覆してきますので開けてみないと分からないという意味では古酒、熟成ワインは難しいと感じます。ただ、品質が保証されている有名生産者の高級ワインは安心感はありますが、価格が天井知らずですのでそれはそれで困りものです。
ですが熟成によってしか得られない味わいや雰囲気がありますのでこのブログを見て古酒を飲んでみたいと思っていただければ嬉しいです。
コメントを投稿するにはログインしてください。