前回お伝えしたプラーガーのグリューナーフェルトリーナーの経過観察をしてみました。ポテンシャルの高いワインこそ経過観察が面白いですよね。
Gruner Veltliner Wachstum Bodenstein Smaragd 2021
Gruner Veltliner Wachstum Bodenstein Smaragd 2021
(グリューナー フェルトリーナー ヴァッハシュトゥーム ボーデンシュタイン スマラクト)
前回は名前の紹介で終わってしまいましたので、今回はもう少し深掘りしてみたいと思います。
当主であるトニ・ボーデンシュテインが自ら開墾したヴァッハウで最も標高の高いアハライテン上部区画にある「ヴァッハシュトゥーム ボーデンシュタイン」のブドウが使われており、この畑の上部(標高465m)はリースリングが植えられており、下部(標高350m)にグリューナーフェルトリーナーが植えられています。また、グリューナーフェルトリーナーは110のクローン樹が植えられています。
2021年はオーストラリアの特別なヴィンテージと言われており、オーストリア国内屈指の影響力を持つワイン専門誌Falstaff(ファルスタッフ)で98-100点という素晴らし過ぎる点数を叩き出しています。
土壌は堆積物が鮮やかな縞模様をしているグナイス(片麻岩)が基盤で、オーストリアワインではこのグナイスが崇拝の的になっているほど重要視されているそうです。
以下のサイトはプラーガーのHPでヴァッハシュトゥーム ボーデンシュタインの土壌構成が見れます。
Weingut Prager-Bodenstein Wachau: Wachstum Bodenstein
このグナイス(片麻岩)は保水性が弱く比較的強い環境で育つブドウにとってもストレスがかかりますが、これにより樹齢の高い樹のブドウでは密度とミネラルのニュアンスを得られるそうです。
この土壌はフランス・ロワールのミュスカデや今回のオーストリア・ヴァッハウのグリューナーフェルトリーナーに好んで使われる事が多く、味わいの共通点を考えると腑に落ちる結果かなと思います。
抜栓2日目
翌日に経過観察をしてみました。
初日の「幽玄」という儚さを含んだ印象から一転し洋梨の華やかな香りがあり、次第にスパイシーなニュアンスやレモン果汁のような酸をイメージさせる香りも感じられます。口に含んだ時も初日より果実味が豊かに感じられますが、酸やミネラルの抑制の効いたスタイルは変わらない印象です。
初日はミネラルや酸の要素が強かったので抑制の効いたタイプかなと思っていましたが、グリューナーフェルトリーナーとしては果実味が豊かなスタイルかもしれません。でも相変わらず美味しい!!
抜栓4日目
個人的には4日目にして一般的なグリューナーっぽいイメージとなってきました。
洋梨、スモモ、柑橘ピールが香りから柔らかく、オイリーなニュアンスも感じられます。日に日に果実の豊かさが全体のボリュームを占めてきますので酸やミネラルのニュアンスは穏やかに感じますが余韻にかけてしっかりと感じられ、初日、2日目は全体を引き締める役割でしたが4日目は下支えする役割に変わっている印象です。また、スパイシーなニュアンスも次第にハッキリ感じられます。
食べ合わせについて
2日目はカボチャコロッケ(ひじきの煮物入り)と野菜のマヨネーズサラダと合わせてみました。
結果的にいまひとつな組み合わせかな…初日のカニ鍋の際に意外にポン酢と馴染むと感じたので今回はソースで!と合わせてみましたが、邪魔はしないまでも広がらないといった感じでサラダも同じ様な感じでした。
4日目は定番とされる鶏の唐揚げです。
こちらは流石セオリーといった感じで唐揚げもワインも美味しく楽しむ事が出来ました。画像はありませんがプロセスチーズの入ったサラダと合わせた時にチーズの風味が強調されて美味しかったので、チーズ感を満喫したいのであればカマンベールチーズも良いかもしれません。
まとめ
初日、2日目はブルゴーニュグラス、4日目はボルドーグラスで試飲をしましたが、香りの部分で果実の豊かさを楽しみたい方はブルゴーニュグラス、ミネラルやスパイスのニュアンスを楽しみたい方はボルドーグラスが良いかと思います。味わいとしてはどちらにしても美味しく、余韻もグラスの形状によって酸っぱくなる、渋くなるというバランスのワインではないので最初のイメージの持って行き方だけかと思います。
注意点としては淡い色調ですがアルコール度数は14%あり、あまりボール部分に対して口径の小さいとアルコール感を強く感じてしまうかもしれません。
価格的にはやはり高価な部類になってしまいますが、数日かけて変化をしながら楽しめる+コラヴァンやアンチオックスなどを使えばより長く楽しめますので気になる方は是非お試しくださいませ。
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