癒し系オーナープライベート赤ワイン

ソムリエ日記

世の中が動き始めたのか忙しい師走を過ごしています。そんな中イタリア・トスカーナ地方よりファットリア ラ レッチャイアの限定ワインが入荷しました。

Fattoria La Lecciaia(ファットリア ラ レッチャイア)

ファットリア ラ レッチャイアはイタリア・トスカーナ地方では有名なブルネッロ(サンジョヴェーゼ グロッソというブドウ品種の地域名)を育むモンタルチーノの丘にあり、「お値打ちな極上ワイン」をモットーに敏腕醸造家のピエトロ リヴェッラを醸造責任者に迎え大らかなフルーティさを気軽にお楽しみいただける生産者です。お値打ちと言いながらも栽培は農薬を極力使わず一部の畑では完全オーガニック栽培で、醸造面も伝統的なスラヴォニア オークの大樽にてゆっくりと熟成させるなど実はこだわりが詰まっています。

Millennium(ミレニアム) 2015

そんなファットリア ラ レッチャイアから年に1回のオーナーのプライベートキュヴェが入荷しました。

Millennium(ミレニアム)は最優良年のみ生産されオーナーのプライベート用として樽ごと取り置きをされている贅沢な特別ワインで、飲み頃まで瓶詰めされることはないので今回の入荷も2015年と7年熟成されたものです。この長い熟成期間はブルネッロ ディ モンタルチーノのリゼルヴァクラスに相当し、この間スロヴェニアンオークの大樽で72ヶ月以上熟成されています。

最上のブルネッロのブドウから造られリゼルヴァクラスに相当するワインながらかなりお値打ちな価格でリリースされているのは、元々は自家用ワイン的な存在のためD.O.C.G.の申請はしておらず市場にリリースされる際はI.G.T.という1番下の規定と価格が上がらないのです。(海外のワイン法はそれほどしっかりとした規定で定められており、品質が良いからと安易に価格は上げられないのです)

では早速試飲です。

アメリカンチェリー、ドライプルーン、クランベリージャムなど凝縮感のある果実味に煎ったナッツやインクなど熟成を感じられる香りがあり、2015年というヴィンテージですが過熟な印象はなく瑞々しさと後半に広がる力強さのあるシルキーなタンニンとアルコールのボリュームが感じられます。また、余韻にかけて果実味のある酸が全体を引き締め親しみ易い味わいの赤ワインです。

また、冷たい温度でも意外にタンニンのざらつきのような感じはなく気軽さが魅力です。

自然の恵みとワインを

偶然4日前に獲れた雉を寝かせておいたのでワインの到着を待って早速試飲です。

雉は毛をむしって部位ごとに解体し、お肉と内臓をフライパンで焼くというシンプルなものです。その後に焼いた後のフライパンで赤ワインとバルサミコ酢を煮詰めたものを作り、食べる際は唐味噌も添えて食べました。

鳥ですので胸肉やササミはパサつくと思われがちですが、野生の雉は水分量が多くしっとりとした肉質でモモ肉はジューシーです。また見た目の通り鴨のような赤身肉ではないので、さっぱりとした適度な滋味で食べやすいお肉です。

ワインの軽やかさやシルキーなタンニンとも良く合い、何よりワインの酸が食事を勧めてくれるというエスコートの役割を果たしているのでどちらも進む組み合わせでした。

まとめ

ブルネッロというとブルネッロ ディ モンタルチーノをイメージしますので果実味が豊かで力強いパワフルなイメージをしますが、このワインはなんとも軽やかで繁忙期に癒される味わいです。また、凝縮感のある果実味やシルキーなタンニンなど適度な力強さがあるので今回の様な鳥類のジビエにはよく合いました。

親しみ易い味わいで「食卓に1本あれば様々なシーンで楽しめる」というファットリア ラ レッチャイアのオーナーの意図のようなものが感じましたし、なんとなくイタリアらしいなとも思います。

味噌とも相性が良かったので是非普段のお食事ともお試しくださいませ。

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