当店に新しくジュラ地方のワインが新入荷しました。と言っても実はブルゴーニュ地方と繋がりのある生産者のもので、Bourguignonne(ブルゴーニュ風)な雰囲気を纏っています。
まずは生産者のご紹介から
Domaine du Pelican(ドメーヌ デュ ペリカン)
フランス・ブルゴーニュ地方ヴォルネイ村のDomaine Marquis d’Angerville(ドメーヌ マルキ ダンジェルヴィル)が所有するワイナリーで、ワイナリー名であるペリカンは神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世が定めたアルボワの町のエンブレムである事、マクシミリアン1世の奥様が15世紀末にヴォルネイ村の「Clos des Ducs(クロ デ デュック)」を所有していたブルゴーニュ公の娘さんで現在はその畑をマルキ ダンジェルヴィルが所有しているというアルボワと深い繋がりがある事からブルゴーニュのような素晴らしいテロワールのワインを造りたいと2012年にジュラ地方アルボワの町に隣接する「Montigny-les-Arsures(モンティニー レ ザルスール)」村に設立しました。
Savagnin(サヴァニャン)
今回のワインはジュラ地方特有のブドウ品種Savagnin(サヴァニャン)から造られており、あまり聞き慣れないかと思いますがサヴァニャンは実は面白いブドウ品種です。具体的に何が面白いかと言いますと様々なブドウ品種の親とされています。サヴァニャンを知らないという方でもソーヴィニヨンブラン、シュナンブラン、グリューナーフェルトリーナーなどサヴァニャンからの変異種はご存知だと思いますし、ゲヴェルツトラミネールに至っては全く違うキャラクターでありながら遺伝子的にはサヴァニャンと全く同じブドウという驚きの結果も出ています。遠いようで実は一番身近なブドウ品種かもしれません。
Arbois Savagnin Ouillé 2019(アルボワ サヴァニャン ウイエ)
今回はジュラ地方の主要都市であり、近代醸造学の父ルイ パストゥールの出生地であるArbois(アルボワ)のサヴァニャンから造られたもので、銘柄の最後にあるウイエとは補酒を意味し2週間に1度同年のワインを添加してサヴァニャンのフレッシュさと豊かなアロマを保ちながら熟成をさせています。
さて、いよいよ試飲してみます!
ドメーヌ デュ ペリカンのワインは初めて飲むので期待しながら早速試飲をしてみました。
サヴァニャン特有のグリーンがかった黄色の色合いでミネラルの印象があり、クリーミーかつナッティな香りにグレープフルーツやアプリコットなどの果実の香りが入り混じります。正直抜栓時はこれって本当にサヴァニャン?ピュリニーモンラッシェとかじゃなくて?と思うくらいの印象です。
口に含むとやっぱりサヴァニャンだなと少し安心するくらいのシャープな味わい、サヴァニャン特有の高い酸があり、アルコールのボリュームとビターな苦味のあるドライな余韻が感じられます。
今回は10℃、ボルドーグラスで試飲し、結果的にこのくらいのスタートが良かったと思います。また、温度が上がってもミネラルと高い酸のお陰でしっかりと楽しむ事が出来ました。
抜栓3日目
抜栓初日とは印象が違い、りんご、パイナップル、グレープフルーツなど複数の温かみのある果実が感じられ、果実グミのようなニュアンスも出てきました。また、果実味が強くなることによってアルコールのボリュームや酸とのバランスも良くなり、初日のシャープでドライな印象から果実味が豊かでキレのある印象へ変わってきました。
食事と相性は?
やはり同郷の食材とは相性が良くコンテチーズとの組み合わせは鉄板です。ただ、いつもコンテチーズとという訳にはいきませんので普段の食事の方に目を向けると、魚介類や野菜のフライや天婦羅などの揚げ物、酢豚や中華クラゲの和え物など中華料理、勿論お寿司など和食などがお勧めです。個人的には完熟パイナップルとの組み合わせがお気に入りです。
まとめ
サヴァニャンという珍しさのあるブドウ品種で手に取りづらい一面はあるものの、ワインとしては取り扱いの簡単さや食事との汎用性の高さがあり1本あると重宝するワインかと思います。また、2019年という天候に恵まれたヴィンテージということもあり熟成も楽しみな品質です。是非お試しくださいませ。
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