今回は久々にボージョレを試飲してみました。ここに至るまでに別のワインと料理を楽しんだ後、おつまみと何かという場面でチョイスしました。
日本ではまだまだボージョレ・ヌーヴォーが有名で、「ボージョレ=ヌーヴォー」で実際何のブドウ品種から造られているか知らない方もいらっしゃるのではないかと思いますので、まずはボージョレ地区についてご紹介します。
ボージョレ地区は、実はブルゴーニュ地方というワインの銘醸地の中(南部)にあります。ボージョレ地区の中には10ヵ所のクリュ・ボージョレという産地があり、今回ご紹介するのは「ムーラン・ナ・ヴァン」という長期熟成に向いていると言われる産地のワインです。
使用されるブドウはブルゴーニュ地方でメジャーなピノノワールではなく、「ガメイ」というボージョレに特化したブドウからワインを生産しています。
シャトー デュ ムーラン ナ ヴァン
今回ご紹介するワインの生産者である「シャトー デュ ムーラン ナ ヴァン」は、1732年からワイン造りをしている老舗の造り手です。ワイナリーのあるムーラン・ナ・ヴァンは「風車」を意味する言葉で名前の通り風が強い地域であり、土壌にも鉱物が含まれていることから自然とブドウにストレスがかかりより凝縮した力強いブドウが栽培されています。
また、ムーラン・ナ・ヴァン独特の花崗岩をベースに酸化鉄やマグネシウムを含んだ土壌がガメイというブドウ品種の相性が良く、ガメイの個性を最大限に引き出す一因になっていると言われており、2009年から現当主ジャン=ジャック・パリネに世代交代をしてから畑毎の個性を生かした単一畑毎のワインをリリースするなど土地とブドウ品種を感じられるワイン造りを行なっています。
・Moulin-à-Vent Croix des Verillats 2015(ムーラン・ナ・ヴァン クロ・デ・ヴェリラ)
6年熟成したこのワインですが、色を見ていただければ分かるようにまだまだしっかりとした色合いをしており、香りもブラックベリーやカシスなどの黒果実を中心にハーブやスパイスのニュアンス、少し動物的な野性味も感じられます。口に含むと複雑で力強いボディがあり、タンニンもまだまだ荒々しさのある若さもお楽しみいただけます。
今回はゴーダチーズ、パテ、ベーコンと楽しみました。
合わせてみると、正直ワインのポテンシャルが高くワイン独り勝ちといった感じでした(苦笑)
唯一良かったのが、今回のパテがレバーを練りこんだものだったのでそこと良く合いました。ワインのこの感じですと、もう少し癖のあるウォッシュチーズ、牛肉の赤ワイン煮込み(赤味噌煮込みも可)、朴葉焼き、すき焼きなどが合う気がします。また、クリーム系も良いのかなと思います。
まとめ
よく言われる「ガメイは熟成するとピノノワールみたいになる」という声を聞きますが、このワインの現状としては所謂ピノノワールの二番煎じではなく、洗練された部分と田舎くさい二面性がありモダンで親しみ易い独自の個性を放っています。色々な驚きや発見のあるワインですので、是非お試しくださいませ。
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