最近ワイン選びの際に気になるマニアックポイントがあります。
通常ワイン選びで気になるポイントで言えば、国・ブドウ品種・造り手・生産年が多いのではないでしょうか?
プロの試飲会やセミナーですと、それ以外に醸造プロセス・土壌などエチケット(ラベル)では分からない部分を気にしたりします。
ところが、最近土壌の名前をワインに付けているものに良く出会います。
この画像のワインは南アフリカのMullineux(マリヌー)という生産者のもので、大きく表示している「GRANITE」「SCHIST」が土壌の名前です。
「GRANITE」は「グラニート」と読み、花崗岩(かこうがん)を指します。
花崗岩土壌は世界中の様々な国・地域にあり、特徴としては香りが華やか・しっかりとしたストラクチャーが挙げられ、若い内は穏やかなワインもありますが熟成によって華やかになる傾向にあります。
「SCHIST」は「シスト」と読み、片岩(へんがん)を指します。
今回のワインは、正確には頁岩(けつがん)と片岩(へんがん)を含んだ土壌を「シスト」として表記しています。シストは粘板岩と表記される事もありますが、粘板岩が更に変成したものが片岩ですので少し違ったものかなと思います。
今回の土壌の特徴としては、頁岩によるくっきりとしたボディと骨格、片岩は強いミネラル感が出るといわれています。
土壌の名前を銘柄に表示するのはニューワールド特有なのかな?と思っていたら、こちらの画像はフランスのAndre Bonhomme(アンドレ・ボノーム)という生産者のもので、「Les Quarts」という土壌の名前の表示されたワインがありました。(しかも2018年が初リリースです。)
「Les Quarts」はフランス語で「レ・カール」と読み、英語での「Quartz」と表記し「クォーツ」と読みます。どちらも石英(せきえい)を指します。
このワイン自体はブルゴーニュ地方のワインですので、石灰岩・岩屑(がんせつ)・粘土の混合物であるアルジロ・カルケールがベースですが、その場所の地形により含有量が異なります。
石英は土壌のベースというよりはアクセントという感じで、硬さのあるミネラル(鉱物的なニュアンス)を生み出すと言われています。
今回のワインも基本土壌は薄い粘土・赤土なのですが、名前に「Les Quarts(石英)」が付けられているのは、豊かな果実味を支える部分にしっかりとした骨格と硬いミネラルが感じられるワインなんだと思います。(試飲したくなってきちゃいます…)
まとめ
今回の様に土壌の主張があるエチケット(ラベル)は個人的に興味が沸きますし、飲む前に味わいのイメージを飲み手に与える事が出来るので生産者としても良い戦略だと思います。また、ワイン会のテーマや勉強の教材としてもワインの楽しさが広がって良いのかもしれません。
是非色々な角度からワインをお楽しみください。
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